人の健康にまつわる通気と換気の法律

換気や通気に関する法律【法律・決まり】

2020.07.27

人の健康に影響する「通気や換気」にまつわる法律や決まりについてご説明します。

前回の基礎知識でも説明した通り、家づくりにおいての「換気と通気」は「人の健康に影響を及ぼす換気と通気」と「家の健康に影響を及ぼす換気と通気」があります。

この2つは法律においても異なります。今回説明をする「人の健康に影響を及ぼす換気と通気」は、シックハウスの項目の重複するところがありますが、換気の基準について改めてご説明します。

●建築基準法

建築基準法ではホルムアルデヒドは建材、換気設備の規制 、クロルピリポリスが使用禁止となっています。さらにホルムアルデヒドの状況に応じて換気回数が決められています。

ホルムアルデヒド 規制:建築基準法に基づくシックハウス対策の概要

ホルムアルデヒドは主に木材を接合する接着剤に使用され、多くの木質建材にはホルムアルデヒドが含まれており、家を建てる際には避けられない物質です。
ホルムアルデヒドを発散するベニア板や集成材などを使用した建材はJIS(日本工業規格)やJAS(日本農林規格)でその放散量に応じた表示が義務付けられています。


その表示内容はF☆☆☆☆ F☆☆☆ F☆☆ そして表示なしがあります。星の数が増えるほど放散量が少ない建材ということになります。F☆☆☆☆が現在の最高性能です。

ホルムアルデヒド 規制:建材への規制

この画像のように建材に記載がされていたりします。
建築基準法ではF☆☆☆☆であれば制限なく使うことができます。この場合の換気設備の規制としては常時換気の換気量は0.5回/hが義務付けられています。

F☆☆☆やF☆☆の建材を使用した場合は使用面積が制限されるとともに、換気設備の規制も一定の計算方式に基づき常時換気の換気量を0.5回〜0.7回もしくは0.7回以上にする必要があります。

ホルムアルデヒド 規制:建材の環境・JIS・等級区分

ハウスシック(シックハウス症候群)が問題となり、行政や業界で様々な指針や法律の制定が行われ20年近くが経ち、新築やリフォーム業界ではF☆☆☆☆を使用することが当たり前となりました。
ですので、ほとんどの新築住宅の換気量は1時間当たり0.5回だと考えてよいでしょう。

●品確法(性能表示制度)

これからの住宅のあるべき性能を示唆する「住宅品質確保促進法」いわゆる品確法の中の性能表示制度の中でもハウスシック(シックハウス症候群)に関する項目があります。
「空気環境に関すること」の中でホルムアルデヒドの使用量に対しての等級表示があり、その内容ごとに等級が示されています。

しかし換気についての等級は示されておらず、建物の換気対策の内容の記載にとどまっています。


【局所換気の場合】

室以外の局所換気対策としては、一時的に汚染物質の濃度が高くなる部屋「台所」「浴室」「便所」については、「機械換気設備」「換気のできる窓」の設置の有無を表示します。


品確法では、あくまでどのような機器を何処に付けているかということを記載する決まりがあるだけで、グレーディングや制約等があるわけではないのです。


いかがでしょうか?今回は「人の健康」の観点から見た通気と換気の法律についてでした。人の健康と家といえば、記事の中で出てきたシックハウス症候群も当てはまります。当サイトには
シックハウス症候群についても説明していますので、ぜひご覧ください。
そして、換気は家の健康という視点から見るとまた異なります。こちらについても記事を掲載予定ですのでお楽しみに。

PAGE TOP