家づくりで後悔しないために知っておこう!シックハウス症候群 法律編
シックハウス症候群と建築基準法【法律や決まり1】
建築基準法に基づくシックハウス症候群の関連項目をご紹介します。
建築基準法のシックハウス症候群関連項目
前回の記事ではシックハウス症候群の原因物質についてご紹介しました。他のカテゴリでも説明のある建築基準法ですが、日本で建築物を建てる際に必ず守らなければならない法律です。この建築基準法にもシックハウス症候群の関連項目があります。
この図は前回の記事で使用した、厚生労働省指針の13物質を抜粋したものです。
建築基準法では、シックハウス症候群の原因の1つとされているホルムアルデヒドが使用制限、クロルピリホスが使用禁止となっています。
さらにホルムアルデヒドを含む建材の使用状況に応じて換気回数が決められています。
また、ホルムアルデヒドを発散するベニア板や集成材、それらを使用した建材にはJIS(日本工業規格)やJAS(日本農林規格)でその放散量を示した表示が義務付けられています。
その表示はF☆☆☆☆ / F☆☆☆ / F☆☆ そして表示なしがあります。
星の数が増えるほど放散量が少ない建材ということになります。
建築基準法ではF☆☆☆☆であれば制限なく使うことができ、表示なしの建材は使用禁止とされています。
皆さんも工事現場やホームセンターに行かれた時に合板の表面にF☆☆‥のマークを見た事が有ると思います。
F☆☆☆やF☆☆の建材は使用面積が制限されるとともに、使用量に応じて換気量の増加が求められます。
換気量の話では、建築基準法では「住宅の居室では0.5回/hの換気」が義務付けられています。0.5回/hとはその部屋の容積分の空気の半分が1時間で入れ替わる必要があることを示しています。
国土交通省の発行している資料に、ホルムアルデヒド対策として掲載がありましたので、引用します。
1時間あたりで0.5回分、2時間で容積分全てが入れ替わるようにしなさいという事です
この換気システムは止めることができないことが条件です。いわゆる「24時間換気」というものです。
ただ、F☆☆☆ F☆☆などの放散量の高い建材を室内で使用した場合には一定の計算方式に基づき0.7回以上換気量を確保する必要が出てきます。
国土建設省が発行している資料は、この図以外にも今から家づくりを検討している皆さんにとても分かりやすく、改正建築基準法に基づくシックハウス対策を解説しています。
リンク先はPDFファイルです。ぜひご覧になってください。
快適で健康的な住宅で 暮らすために―改正建築基準法に基づくシックハウス対策―
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/sickhouse.files/sickhouse_2.pdf
シックハウスが問題となり、行政や業界で様々な指針や法律の制定が行われて20年近くが経ち、新築やリフォーム業界ではF☆☆☆☆を使用することが当たり前となっています。
新築やリフォーム建材の中でF☆☆☆ F☆☆を見かけることはほとんど無くなりました。皆様が注意を払い施工業者に強く要望されなくてもF☆☆☆☆が当たり前の時代となっていますので安心いただいて良いと思います。
しかし家具などは、建築基準法の対象外で入居後に購入した家具が原因でシックハウス症候群を発症してしまう事例も過去数多く存在しています。
国内製造の家具はF☆☆☆☆が進んでおり安心出来ますが、外国輸入家具では未だに非表示の原材料を使っている家具もありますのでご注意ください。
フェノブカルブを使用した防蟻剤は禁止されています。
ただフェノブカルブを使用しなくても別の薬剤や工法で十分防蟻性能があるものが普及していますので特に注意する必要はないと思います。
シックハウス症候群に関連する項目がある法律は建築基準法だけではありません。
次回は品確法と、シックハウス症候群と原因物質の記事でも触れました厚生労働省指針についてご説明します。