長持ち住まいを実現するために知っておきたい方法・手段
住宅の自主点検 をしよう【方法・手段2】
住宅会社が行う定期点検とは別に自主点検を行うことをおすすめします。
自主点検のすすめ
住宅会社の定期点検時期は、引渡後3ヶ月・6ヶ月・1年・3年・5年・10年、
そしてそれ以降は有償で10年毎というのが一般的です。
しかし、住宅の不具合は目に見えないささいなことから始まり、いつの間にか重症化する
個所もあります。
住宅会社の定期点検期間の間で発生し、重症化することも多くあります。
それを見つけられるのはその住宅に住んでいる皆さんしかありません。
住宅会社が行う定期点検とともに、「家守りの主役」であるみなさんが自主点検を行うことは、家の健康を守る重要な要素です。ではどのように自主点検を行うのでしょうか?
住宅の場所ごとに説明していきます。
●床下(基礎内部)の自主点検
建築の専門家ではない皆様に専門家同様の点検をお願いするのは無理ですが、簡易な確認作業するだけでも多くの危険を察知することができますので是非行ってみてください。
台所や洗面所には床下収納庫や床下点検口があります。
そのふたや収納庫を取り外すと、床下空間をのぞくことができます。懐中電灯を持ち、床に寝転んで頭を床下に入れて周りを見回してください。
乾燥した状態で匂いもコンクリートの粉っぽい匂いであれば大丈夫ですが、水滴の付着や水たまりがあったり、床下空間の匂いを嗅いでカビ臭かったりすると要注意です。
換気不良が考えられますので住宅会社に相談してください。
また、基礎の立ち上がり部分に光を当てて見える範囲で良いので見回してください。茶色い筋状のものがあったら蟻道が疑われます。
これが蟻道です。もしこのようなものが発見されたら、すぐに住宅会社に連絡してください。
●建物周囲の自主点検
建物周囲は皆さんでも容易に点検ができる箇所です。専門家同様、基礎の表面を見て回り、昨年にはなかったヒビ割れがある場合は住宅会社に連絡してください。
床下同様、蟻道があった場合も早急に住宅会社へ連絡してください。
ただ、蟻道に間違えやすいものもあります。
基礎表面に地面から5〜10cm程度の長さで何本も先細りの筒状の虫の通り道をちょくちょく見かけますがそれは地クモの巣なので安心してください。
これらの写真を参考にしてみてください。
また、外壁の壁際に物や物置を置くことは基礎内や外壁内の通気を阻害するので撤去することをおすすめします。
特に切った樹木や薪を置いているとシロアリが寄ってきますので危険です。家から離れた所に移動してください。
●外壁や屋根の自主点検
素人が高所に上がることは大変危険です。屋根や樋の点検は専門家に任せて、日頃は手の届く周囲の確認を行ってください。
外壁の表面(特に南面の日当たりの良いところ)を素手で撫でてみてください。手のひらに白い粉が昨年より多く付着するようであれば、表面の塗装がだいぶん傷んできた証拠です。
そろそろ塗り替えを考えたほうが良いでしょう。
また窓周りや外壁材の継ぎ目にはコーキングという柔らかい弾力のある筋があります。
その箇所にひび割れがあると、そろそろ限界に来ています。コーキングを打ち変える必要があります。
また、外壁表面に錆ダレがあればその上部にある板金が錆びている証拠です。専門家に確認を依頼したほうが良いでしょう。
●小屋裏の自主点検
小屋裏の点検についてお伝えする際に、まずお伝えしたいことがあります。
天井は一般の方が考える以上に弱い構造をしています。小屋裏に上がることは危険ですのでやめてください。
出来ることとしては、2階のどこかに(押入れやクロゼットの中など)点検口があると思います。それを開けると小屋裏を見ることができます。
そこからのぞける範囲で屋根面の裏側の状態をみてください。雨によるシミがついていたり、黒く変色していたり、ベニアの層が剥がれ出していたら要注意です。早急に住宅会社に連絡してください。
また、点検口を開けた時、天井面の断熱材が上からバラバラと落ちてくることがあります。
グラスウールやロックウールであればそれ自体は無害ですが、チクチクしたり目に入れば危険ですので小屋裏を点検する際は、ゴーグルの装着や汚れてもよい服装で臨んでください。
日頃から住宅に気をかけて、丁寧に使って頂く事で住まいの寿命を延ばすことができます。
些細な変化にも気づく愛情を持ちながら、住宅の自主点検を行ってください。