長持ち住まいを実現するために知っておきたい基礎知識シリーズ

家にメンテナンスは必要?【基礎知識1】

2020.03.02

家のメンテナンスの必要性を説明するインストラクションです。

家にメンテナンスは必要?

昔の暮らしでは家や道具が壊れたら自分で修理を行い、自身では難しい状況であれば専門の技術を持つ人にお願いして修理するのが当たり前の社会でした。
しかし、家電や車の技術はどんどん進化し、素人が修理できる範囲を超えて専門家でさえも修理というより部分交換をすることが当たり前となりました。
さらに近年では最新機器の方が格段に機能や省エネ性能が上がり、「壊れる前に買い替えたほうがお得」という風潮が起こり、修理をすることすらしなくなりました。

そんな中、家はどうでしょうか?


「メンテナンスフリー」という言葉や「手厚い家守りを行います」などの言葉を住宅会社の広告でも見かけますが、家のメンテナンスを行わずに本当に何もせず放っておいても良いものでしょうか。


答えは「ノー」です。


適切な点検やメンテナンスは良好な暮らしの維持と家の長寿命化に対して非常に重要な事です。

家のメンテナンス は 必要です

家電や車の使用寿命は10年程度で、価格的にも買い替えが容易におこなえます。

しかし、家での暮らしのサイクルは30年以上です。数千万円必要とする建て替えや買い替えは容易に行えるものではありません。
家は様々な建材や機器の組み合わせでできています。

家がメンテナンスフリーで30年間持つものはほとんどなく、長くても10年位で何らかの手入れや点検を必要とします。
家が新しい頃は故障もなく快適に過ごせますが、10年を超えると途端にあちこち問題や故障が発生します。住宅会社の定期点検時期を見ても、引渡後は3ヶ月6ヶ月1年3年5年10年、そして10年以降は「有償で10年毎」というのが一般的です。

また交換や補修工事は10年目から始まりだします。


さらに築10年以降は10年毎の点検だけでは、進行する腐れやシロアリや劣化に対応するには不十分な場合が多いのです。

最悪の場合、腐れやシロアリや劣化は3年あれば発生から最悪の事態まで進行してしまいます。
次の10年後の点検を待たずに取り返しのつかない事態になることもありえるのです。

家のメンテナンス :雨漏りでクロスがはがれた状態

雨漏りでクロスがはがれた状態

家のメンテナンス:蟻害の様子

家のメンテナンス を怠り、取り返しのつかない事態にならないためにも、

家に住む皆さんが日頃から愛情を持って、家族の健康を気遣うように家に対しても常に関心を持って、日頃から些細な変化にも気づく愛情が必要なのです。


「家は建てたら終わり」というものではありません。

家は建てた時から「長い付き合い」が始まるものです。


それを行うのは住宅会社ではなく住む人です。
政府も従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会への転換を目的として、長期にわたって住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅を普及させようとしています。


しかし、優良な住宅を建てただけでは不十分です。適切なメンテナンスをしっかり行う事でその実力が発揮されます。
適切な点検やメンテナンスは良好な暮らしの維持と家の長寿命化に対して非常に重要な事です。そしてその主役は住む人そのものであることを覚えておいてください。
今回は家のメンテナンスの必要性についてご説明しました。

家のメンテナンスには「定期点検」と「定期メンテナンス」があります。
次回は「定期点検」についてご説明します。

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