家づくりで後悔しないために知っておこう!シックハウス症候群のあれこれ

シックハウス症候群の発生と症状【基礎知識1】

2020.01.06

シックハウス症候群発生の原因と症状についてご説明します。

シックハウス症候群と発生のメカニズム

住宅を新築やリフォームしたことが原因で、今まで経験しなかった眩暈や嘔吐や頭痛、目や鼻や喉への刺激、皮膚の蕁麻疹や湿疹などの症状が発症することをシックハウス症候群と言います。
シックハウス症候群の症状は多様です。発生の仕組みなどは未解明な部分が多く、様々な複合要因が考えられており、明確な発生メカニズムが特定できていないのが現状です。
ただ、家づくりにおいては、戸建て新築後やリフォーム後に住宅の気密性能が上がることから、考えられる原因が3つあります。

建材の化学物質が充満し、シックハウス症候群の原因に。
シックハウス症候群の原因1

住宅の新築やリフォームに使用される建材には製造過程で様々な化学物質が使われ、住宅の気密性能が上がったことで、これらの化学物質が室内に充満すること。

古い家では隙間風で外部に放散されていた普段の生活で発生する汚れた空気が、気密性が上がったことで充満し、シックハウス症候群の原因に。
シックハウス症候群の原因2

古い家では隙間風で外部に放散されていた普段の生活で発生する汚れた空気が、気密性が上がったことで充満すること。

生活で発生した湿度が高気密化により室内の各部に溜まり結露やカビが発生したりダニが繁殖し、その糞や死骸が空気を汚染することがシックハウス症候群の原因に。
シックハウス症候群の原因3

生活で発生した湿度が高気密化により室内の各部に溜まり結露やカビが発生したりダニが繁殖し、その糞や死骸が空気を汚染すること。



住宅の高気密・高断熱化は快適な暮らしを行う大切な条件ですが、適切な暮らし方をしないと諸刃の剣ともなる技術です。
高気密・高断熱化のおかげで少ないエネルギーで快適な暮らしを維持できますが、同時に様々な有害物質も溜め込むことになります。
人がそこにいること自体や暖房器や調理器からは一酸化炭素や二酸化炭素が発生します。
また湿度が高まることで結露が発生しカビやダニの発生を引き起こし、それらは空気を汚す原因となります。
これらの様々な要因が複合してシックハウス症候群を引き起こすのです。

シックハウス症候群の発生件数

統計の数字として住宅紛争処理支援センターに寄せられているシックハウスに関する相談件数を見ていきましょう。

シックハウスの相談件数

公益財団法人 住宅紛争処理支援センターより



シックハウスに関する相談件数は2003年では546件と最も多いですが、
その後急激に減少し、2009年以後は年間100件程度となっています。法律の整備や様々な建材の改良が行われたことにより、最大時の5分の1まで減少しました。


これらの数字を見て「シックハウス問題は解決した」という人もいます。確かにシックハウスが問題視されたころに比べ、様々な対策が講じられ化学物質の放散量は減少していると思われますが、100件近くが依然続いているのです。シックハウス症候群にはまだまだ注意が必要です。

シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群としてよく起こる症状としては、目や鼻や喉の刺激症状、粘膜の乾燥感 皮膚の紅斑、かゆみ 疲れやすさ、頭痛、精神的疲労、集中力の低下、めまい、吐き気 嗅覚味覚の異常があげられます。

さらに症状が進み化学物質過敏症になると下記のような症状が現れます。

シックハウス症候群の主症状と副症状



1996年に厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー班から化学物質過敏症の診断基準が示されています。


検査所見として、下記の5項目があります。

●交感神経刺激型の瞳孔異常

●視覚空間周波数特性の明らかな閾値低下

●眼球運動の典型的な異常

●3次元断層画像装置による大脳皮質の明らかな機能低下

●誘発試験の陽性反応

「主症状2項目+副症状4項目」もしくは、「主症状1項目+副症状6項目+検査所見2項目が陽性の場合に化学物質過敏症と診断されます。



次記事の【基礎知識2】では、シックハウス症候群の症状を引き起こす原因物質についてご説明します。

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